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国立国会図書館採用試験の現状【2022年】

国立国会図書館の採用試験は、図書館界の最難関試験と言っても過言ではないでしょう。近年の募集数は、総合職は3~4人、一般職13~17人で、倍率は60~100倍以上の超難関試験となっています。現実的に採用されるのは至難の業であり、国立大学法人や地方公務員の選択肢も考えておくべきです。採用段階で総合職と一般職に分けられ、採用後のキャリアパスや業務内容に違いがあります。前者は、企画立案に携わることを前提に審査され、後者は事務処理能力の適正を中心に審査されます。いずれにしても、総合職も一般職も極めて難関な試験です。

例年5月に実施されるため、国会図書館を希望する方以外にも、6月以降に実施される国家公務員試験(一般職)や地方公務員試験(地方上級)を受験される方が模擬試験的に受験します。そうしたことも見越し、一次試験の合格者数は、受験者の3割程度と多めになっています。試験会場が東京と京都の2か所しかないため、遠方の方は宿泊や長時間の移動が必要になります。また、試験開始が午後1時からなので、時間的には受験しやすい試験です。

一次試験は教養試験のみで考査され、ボーダーラインは年度の難易度によりますが、24点前後となっています。試験時間は2時間、全40問5択マークシートで、知能問題20問と知識問題20問とバランスが良く配分されています。ただ、国立大学法人採用試験や地方公務員試験では出題されない、社会学や心理学の問題が出題される場合があります。学習時間に余裕がなければ、捨てることもありかと思います。二次試験は、難易度が上がり、記述式の専門試験と英語試験があります。総合職は小論文もあります。専門知識と高い語学力が求められるため、多くの受験生がここで散ります。

面接は二次試験がオンライン、三次試験は対面式で実施され、いずれも個別面接です。各方面からの情報を分析すると、難問奇抜な質問等はされず、志望動機、自己PRなどを中心に定番的な質問ばかりで、面接官の対応も丁寧だそうです。学生時代に取り組んだガクチカ、挫折や困難を乗り超えたエピソード、長所と短所、周囲の人間に対する姿勢や対応、就活状況などの質問への対策準備は必ずしておきましょう。また、国会図書館の組織や現状を丁寧に調べ、課題や将来の展望などを自分なりにまとめておくと良いです。

採用後のキャリアパスは、3年程度の間隔で異動があり、調査・レファレンス、書誌目録・分類・件名の整備、図書・雑誌・特殊資料の受入や納本対応、電子化事業、国内海外機関との交流・調整・折衝、総務・人事・財務・経理・庶務・広報などの一般事務という具合で、多岐に渡る業務を経験していくことになります。転勤は、東京本館、関西館、国際子ども図書館支部図書館の間で異動があるため、転居を伴う必要が生じる可能性があります。

述べた通り難関試験ですので、選択肢の一つとして受験する方が無難な試験と言えます。