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国立大学法人(図書系)採用試験の現状【2022年】

国立大学法人・図書系の採用試験は、全国を7つの地区に分けて実施されます。地区の内訳は、北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国四国、九州沖縄です。一次試験は、7月の第1日曜日に全地区が同一日程・同一問題で実施されます。二次試験の専門試験は、全地区が同一日程・同一問題で実施され、面接は各国立大学法人等の独自日程で行われます。原則、一つの地区しか受験できません。


一次試験に合格すると、1年間有効の合格者名簿に登録され、二次試験の受験資格を得る事ができます。何とかこの段階まで持っていけるようにしましょう。一次試験合格以降は、自分自身で説明会に参加し、面接の予約と受験をしなくてはいけません。国家公務員の官公庁訪問と同じ流れです。説明会や面接の予約は先着順で行うため、早く行動した人が有利です。注意して欲しいのは、説明会の参加は絶対必須であり、複数回実施される場合は、出来る限り最初の日程や回に参加する事です。募集要項に参加は任意で合否に影響しないと書かれていても信用してはいけません。参加しない事は辞退同然の行為であり、こうした文言を建前だと判断できない人は、公的機関で働く適性はないと思ってください。

また、地方公務員試験や民間企業との併願で日程が被ったり微妙な場合でも、国立大学法人を優先する選択をしなくてはいけません。第一希望の意志を示さなければ、高確率で落ちますので注意してください。国立大学法人は、第一希望かつ即決で決めてくれる意志の強い人を求めています。そうした人が最優先で合格する試験と言っても過言ではないでしょう。入職の意思を明確に示せない人は、その大学の卒業生だろうが、高学歴だろうが、筆記試験の得点が良くても不合格になります。国立大学法人の採用側が一番に心配や警戒しているのは内定辞退です。民間企業や地方自治体よりも、その度合いが強いと言えます。

一次試験は教養試験のみで考査され、ボーダーラインは非公開ですが、26点前後のようです。年度や地区により幅があるため断定できませんが、28点以上取れば一次通過できるでしょう。試験時間は2時間、全40問5択マークシート、知能問題20問と知識問題20問で、バランス良く配分されています。

二次試験は全地区共通の専門試験と各国立大学法人ごとに面接があります。面接は個別面接です。各方面からの情報を分析すると、難問奇抜な質問等はされず、志望動機、自己PRなどを中心に定番的な質問ばかりで、面接官の対応も淡々としているそうです。学生時代に取り組んだガクチカ、失敗や困難を乗り越えたエピソード、長所と短所、周囲の人間に対する姿勢や対応、就活状況、併願状況などの質問対策は入念にしておくべきです。また、希望する国立大学法人の組織や現状を丁寧に調べ、課題点や将来の展望などを自分なりにまとめておくと、より対応しやすくなるでしょう。

近年の募集数は以前より大きく減少しており、地域の中心となる旧帝国大学でさえ1~2名、それ以外の大学が数年おきに1名採用があるかないかの状態です。2022年は例外的に東大が7名の採用予定です。地方自治体や民間企業とは異なる特異な状況が続いており、残念ながら改善の兆しが見えません。このまま、こうした下火の状態が続くのか、ある程度持ち直すのかは不透明ですが、国立大学法人だけを念頭に入れた受験はリスクが高いため避けるべきでしょう。地方自治体も併願するべきです。一次試験の合格者名簿に記載されている有効期間内は大学にアポを取り、望みを捨てず就活してください。

採用後のキャリアパスは、3年程度の間隔で異動があります。採用から数年は、図書や雑誌の発注受入や閲覧業務を担当することが多いようです。基本的に異動は採用された国立大学法人内か同一地区内の大学となります。希望すれば、別の地区の大学へ異動できる可能性もあります。昇進して管理職になり、全国を転々とする方もいます。

難関試験ですので、地方自治体の司書職との併願プランを軸に受験する試験と言えます。